ご挨拶
パーキンソン病は50歳から65歳で発症することが多いとされ、高齢になるほど発病率が増加します。特に65歳以上の方では、100人に1人の頻度でパーキンソン病になるとされています。パーキンソン病は、様々な動作に時間がかかるようになる (運動緩慢)ことが主な症状であるため、年齢のせいと見逃されている方も少なくありません。そのため、数多くのパーキンソン病患者さんへの診療経験がある脳神経内科医師により、早期に病気が判明する可能性があります。パーキンソン病かもとご心配がありましたら、専門外来への受診をご検討下さい。脳神経内科疾患一般に言えることですが、受診に至るまでの経過の確認、診察、説明等で、特に初回の受診では多くの時間が必要になります。また他院でパーキンソン病で通院されている方もいらっしゃると思いますが、その場合には主治医の先生からの紹介状を持参頂けますと、診療がよりスムーズになります。
診療内容
- 主にパーキンソン病についての診断
早期診断のため、当院で行える診療・検査に加え、核医学検査という画像検査が必要になることがあります。熊谷総合病院、埼玉医科大学総合医療センター等で実施可能ですが、検査予約を当院で行えるため、検査結果の説明が当院で受けられます。
- パーキンソン病の治療
パーキンソン病の治療薬は、内服薬(抗パーキンソン病薬)にも沢山の種類があり、患者さんの病状、希望等を考慮して治療を進めていきます。また、病気との付き合いが長くなっていくと、内服薬だけでのコントロールが難しくなる、様々な理由で内服薬が十分に使用出来ない患者さんに遭遇することが少なくありません。その場合には、ご家族さんとも相談の上、device-aided therapy(DAT)という外科治療が可能な医療機関へのご紹介も提案致します。紹介医療機関としては、埼玉医科大学病院、埼玉県総合リハビリテーションセンター、日本大学医学部附属板橋病院などがあります。これら治療に関する説明会が年に数回開催されていますので、タイミングが合えば、外来受診前に治療担当医の説明を受けることができます。
- パーキンソン病のリハビリテーションについて
年齢、他の身体疾患の合併等で、身体の筋力低下等の問題が強く、内服薬による効果の実感が得にくい、自宅での生活が困難になりつつある場合などがあれば、当院で2週間程度の入院によるリハビリテーションを行なっています。ただ、すくみ足、姿勢異常等パーキンソン病に特有な運動症状への改善が必要な場合には、より濃密なリハビリテーションが可能な医療機関(埼玉県総合リハビリテーションセンター)への紹介も考慮します。
- 多職種連携について
日本におけるパーキンソン病の臨床・研究等の推進を目的とした学会の中心的存在にMDSJ(Movement Disorder Socierty of Japan 日本パーキンソン病・運動障害疾患学会)があります。MDSJにおいて、パーキンソン病患者さんに関係する医療職種全てを対象としたPDナース・メディカルスタッフ研修会が2022年度から開催される様になりました。当院の常勤看護師数名が同研修会を受講し、パーキンソン病療養指導士の認定を受けています。これらのメンバーを中心に、今後当院でも関東で幾つかの大学病院等で開設されているパーキンソン病センターとはいきませんが、パーキンソン病患者さん、そのご家族にお役立てできる様な部門の立ち上げを検討していきます。
医師紹介
-
副院長兼内科部長
吉田 典史
よしだ のりひと
- 専門分野
- 神経内科(パーキンソン病)
- 出身大学
- 埼玉医科大学
- 認定資格
-
- 日本内科学会認定内科医
- 日本神経学会神経内科専門医
- 日本内科学会総合内科専門医